2011年3月27日日曜日

ディスカバリーチャンネル『サバイバルゲーム』


週末のディスカバリーといえば、この男です。
イギリス特殊部隊出身のベア・グリルス。
SASですね。尊敬するマスター・キートンと同じキャリアの持ち主です。
そんな彼が、世界中の未開の地を巡り、軍隊で身に付けたサバイバルテクニックを駆使して人里までたどり着く、というドキュメント番組です。

・・・文章にすると、ふ〜ん、よくあるんじゃない、という感じだし、実際に番組制作にあたり、十分な安全管理はされているとは思うのですが、凄く危険な事をやっています。

まず、場所が本当に厳しいとこばかりです。
大湿地帯で腰まで泥水に浸かって陸地を探し歩いたり、サバンナでは野生の象ににらまれたり、砂漠でひからびそうになったり、そういうところをやみくもに歩きまわるのではなく、サバイバルの知識に基き、体力を温存し、食料・水を確保し、無駄な冒険を避け、じりじりと人里があると思われる方向に歩を進めます。
ワイルドではありますが、判断や手段が非常に知的で、冷静です。ベアの人柄がよく伝わってきます。

この番組の見所と言えば、ベアの”食料確保”でしょう。
とにかく、何でも食べます。
枯れ木をはぐって、芋虫を見つけてはそのまま口に入れる、トカゲや蛇は頭を切り取って食べる、動物の死骸が落ちていれば、皮をはいで生のままかぶりつく、生への執着心と言いますか、判断力がすごい。
野蛮な感じもしない事はないですが、それだけ非常事態だということでもあり、衰弱しないためには仕方がないでしょう。

皮をはいで、ガブ!シマウマを食べる。

サバンナで水分を補給するために、まだ乾ききっていない像のフンを両手で掲げ、ぎゅうっと絞って落ちてくる水滴を口で受ける、死んだラクダの胃を切り開き、たまっている水を掬って飲む、どうしても口に入れられないときは、管を使ってお尻に入れ、直腸から水分を吸収するとか(このときはモザイクがかかりました)、イギリスの軍人さんは、凄いなあと感心してしまいます。

血なまぐさいシーン、どぎついシーンの連続なんですが、それほど嫌悪感を感じないのは、ベアの人柄のためではないかな、と思います。
非常に紳士的で、知的。瞬間の判断力と実行力があり、ときに茶目っ気も見せる。
そう感じたのは、砂漠でサバイバルの回で、地元の人からラクダの睾丸を振る舞われた時。
現地では特別な意味のある食材だったようですが、さすがにキツかったらしく、番組中はじめてじゃないかな、ベアがもどしました。
でもその直後、振る舞ってくれた人に「大変失礼しました、やり直させて下さい」と、丁寧にお詫びをして、再度チャレンジ。
こういう態度は、なかなかとれるもんじゃありません。

動かなければ、なかなかの色男です。

ゆうべは、「大湿地帯でサバイバル」。
アリゲーターの子供を素手でつまみあげ、見ているこっちは、”食うか!?””ガブッといくか!?”と、変な期待をしつつ観ていたのですが、いつものベアの台詞
「貴重なタンパク源です(意訳:いただきます!)」
が、出ない。
あれ、と思っていると、ぱっと逃がしてしまいました。
「保護動物です」だって。なるほどー。
「食べられないのが残念です」やっぱり、食う気だったんだ。

ベアの冒険は、チャリティ活動の一環です。冒険にスポンサーを付け、テレビ局に売り、得たお金を世界中の恵まれない子供達のために募金しています。
単なる冒険野郎ではありません。さすが、女王陛下から勲章をもらうだけの男です。

サバイバルゲーム

0 件のコメント:

コメントを投稿